- インターネット
- 序章
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インターネットとは、世界中のすべてのコンピュータをつなぐコンピュータ・ネットワークだというのが、いちばん簡単な理解である。一般にコンピュータは人間が使うものだからコンピュータを使う人はすべてインターネットを介して情報や知識などを共有したり、交換したりできてしまうことになる。現段階では1000万台以上のコンピュータがインターネットに接続されていると推定されているが、まだ世界中のすべてのコンピュータとはいえない。インターネットに接続されているコンピュータは急速に増えてきているので世界中のすべてのコンピュータといっても良い状態になりそう。
インターネットは、国という概念とは全く独立に、国境を越えて発展してきたという経緯である。コンピュータによって自由に情報、データを交換できるという基盤ができあがると、世界中の1人ひとりの人間がどういうコミュニケーションをもってどういう活動をしてねどんな世界をバックにした生活をしているのかということを考えられるようになる。今後新しい国際社会をどういうふうに形成していくかということを考えるための基盤としても、期待されているということができる。また、インターネットによるコミュニケーションは地球という空間の概念を大きく変えているともいえる。
今、世界中で注目されているインターネットだがその受け入れ方やインターネットについての考え方は、国によってずいぶん違ってきている。
世界でインターネットにつながっているコンピュータの分布をみると50%以上がアメリカである。各国の社会や文化にとってのインターネットの意味もかなり違ってきている。
インターネットとは、個人個人がそれぞれに存在して活動し、コミュニケーションをして役割を果たし、サービスを提供するというような形の、地球全体を包む1つの世界をつくりつつある。これはコンピュータによって直接的に行われるコミュニケーションが主体となった、新しい国際社会がつくられつつあるということでもある。
- 第1章
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インターネットは大規模のネットワークである。設計の立場からは、世界中のコンピュータをつなぐところまで成長していくことを前提としています。少なくともそこまでの大規模にたえられる技術や仕組みが必要なのだが、そのためにはインターネットが分散型の仕組みであることが大切である。どこかに中心があってそれが全体を制御するという集中型の仕組みではねネットワークが世界大の規模でどんどん成長していく場合に耐えられない。
接続したいコンピュータを世界中で次々と仲間に入れていくためには、世界自由に分散した小さなネットワークを単位として考え、これらの集合として全体のインターネットを考える必要があるるインターネットの発達は、細胞分裂に似ている。
インターネットに、設備コストをかける必要はあまりないので、新しい線を次々に敷設しやすい。このようにして広がっていくわけである。故障の多いネットワークでも、うまく動くときもある。それは、あるインターネットがエラーを起こしたときは、ほかを迂回していけばよいのがインターネットである。
インターネットの仕組みというのは非常に単純でなければならないということ。既存のデータ通信がしてきたさまざまな制御をね両端のコンピュータでこなすということそれは大変複雑な仕組みと思われるかも知れない。だがそうではないのだ。
小さなコンピュータで動くと言うことは、インターネットにつながるコンピュータの数を増やすと言うこと。またプログラミングがやさしいということは、インターネットのプログラマーが増えるということ。つまりインターネットを支えるエンジニアがたくさんいるということである。世界中に分散しているネットワークの集合であるにもかかわらずインターネットがこんなにかんたんな仕組みでできているのかということに驚く。簡単な技術であるということは、規模が大きくなると大変重要な関わりをもっている。
- 第2章
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コンピュータ同士は、名前がどのコンピュータに付けられたものかをしり、そのコンピュータがどこにあるかを発見しなければならない。このネットワーク上に位置に基づいたコンピュータ識別のために、インターネットではアドレスを用いている。これをインターネット・あ゛れすまたはねIPアドレスと呼ぶ。IPアドレスとは、32日津とのアドレス空間を持っている。二進法で32桁の数字をつけることで識別しようという仕組みである。ネットワークにつながっているコンピュータの一台一台にねコンピュータの中にあるインターフェイスに与えられている。
インターネットの世界は二つの空間で出来ていることが分かる。階層的な名前の空間と、アドレスの空間である。インターネットを運用するさいには二つの空間を結びつける仕組みが必要になる。この二つを結びつける昨日を名前サービスという。これは、地域全体をカバーする大きな分散型データベースともいえる。世界のどこかで新しいネットワークが接続されたり、インターネットにつながるコンピュータが増えるごとに更新しなければならない。そのことを知りたい世界中のコンピュータに正しい答えを返さなくてはならない。このような仕組みによってインターネツト空間のなかでコンピュータが識別できるとなると、それを利用して個別的にメッセージを交換することができる。これが電子メールなのである。
文字情報がかかれたデータをコンピュータからコンピュータへ送り、どんなに離れていても瞬時に大量のデータを送ることがて゛きる。電子メールは、コミュニケーションメディアである手紙、電話などに対して大きな優位性をもっている。
インターネットの空間の大きな特徴として国境がないという仕組みがいろいろとでてきていることである。国境がないということは地理的な位置による制約がなくなったということとインターネットの空間は時間的な制約から解放されているということ。インターネットの空間でのコミュニケーションではどんなに距離が離れていても一秒の差はでないという距離感だということである。理論的にはそうでも実際には少しちがっていることもある。
- 第3章
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インターネットがメディアとして使われることで今までのメディアでは難しかった人間の新しい関係というより本質的だったけれど、メディアが果たせずにいた関係を提供していくことができる。大切なことはまず人間の本来の関係というものは何であるのか考えて、それにふさわしいメディアを選び、開発や利用をすすめていかなければならない。
インターネットを世界中とつながっているメディアとしてみたとき、言語の問題がよく議論される。
コンピュータネットワークを日本ではじめたとき、コンピュータの日本語化が行われていた。コンピュータの分散型システムのコミュニケーションについて重要なテーマがある。同期と非同期という問題である。コミュニケーションの主体、コミュニケーションをめぐってどういう振る舞いをするかということにかかわる問題。同期型のコミュニケーションというのは、それぞれの主体の動きが、あいだのコミュニケーションを利用して動いているようなときのコミュニケーション。はじまりと終わりを明確に定義してコミュニケーションする主体がタイミングをあわせて実現するコミュニケーションといってもよい。非同期型のコミュニケーションとは、主体の活動に関わらず発生するコミュニケーションである。人間のコミュニケーションには両方がまざっていて、いずれもテクノロジーで支援すべきなのだが、実際に存在しているコミュニケーションテクノロジー、あるいはデータ通信の技術は、どうしても同期型コミュニケーションに偏っている。
人間のコミュニケーションの支援からでた今のコミュニケーションのテクノロジーは技術の仕組みの限界から、人間本来のコミュニケーションの仕組みから外れてきたような経緯がある。しかし、ディジタルテクノロジーとコンピュータの組合せからできてくるコンピュータネットワークの世界では多くの制約を取り除くことができる部分がたくさんある。
インターネットは、人間を支えるコミュニケーションテクノロジーとして情報や知識を伝達したり共有したりするメディアとしてこれまでのメディアにはなかった可能性を示し始めているということがいえる。
- 第4章
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日本語化に際して、フォントを用意しなければならないという問題があった。すでにフォントをつくりあげていた会社、メーカから寄贈してもらおうと考えたがうまくいかず、学生が1人でつくったそうだ。ちょうどディスプレイも決まった文字しか表示できないキャラクターディスプレイからデータさえ与えられればどんな文字でも表示できるビットマップディスプレイへと世代交代した。漢字をどこでもみることができるための支えとなった。それが実現されると日本語の問題にとどまらずね国際語の教え方がかなり変わってくることになった。
コンピュータがネットワークと組み合わさることで初めてソフトウェアは飛躍的に多くの人に使われ、そして多くの人に使われることで良くなるのである。
ある技術の使い方を人間が学び、社会が動きコマーシャルプロダクトが変わっていくには時間がかかってしまう。なので新しい人間活動をもたらすような技術はできるだけ早く多くの人々が共有できるようにすべきである。
インターネットは今後大きく貢献しなければならない。いまに始まったわけではなくインターネットの国際化には10年もかかっていた。国際化されていないテクノロジーの中においても、人間が自由に国際化の雰囲気を感じるためにどういうものが必要かと考えていたからここまできている。
インターネットはボランティアかといわれている。一つは、ボランティアでやっている人の努力で成り立っているのだからそこでビジネスをやっては申し訳ないという考えるもう一つは、インターネットは、本質はボランティアではなく、たまたまそうなったという考えである。インターネットを動かしていく仕組みがこの10年間役に立つこともわかっていないし、どう取り扱われるかも分からない。
- 第5章
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今後のいろいろなディジタル技術が発展することを視野に入れれば、メディアとしてのインターネットと、ほかのメディアとの協調、補完関係というものを、考えていかなければならない。
いちばん初歩的な問題として、インターネットの基盤そしてコンピュータの普及が挙げられる。インターネットにつなぐ回線料金やインターネット用のソフトウェアが導入しにくかったりしてはいけないということもある。機器の普及については、非常に良い傾向にある。インターネツトはコンピュータなどのディジタル情報機器を人間の活動に貢献させるためにたいへん役立っているのである。
セキュリティに関する技術はすでに存在していて問題はそれを運用していく仕組みがあるのかという段階に入ってきている。そこで問題が生じている。
セキュリティの問題ではどのように誰が情報を守っていくのか、どこにプライバシーが必要なのか、プライバシーはどの範囲なのかということを考えていく必要がある。それはたぶんインターネットの世界に限らず社会でも同じことがいえると思う。なにより大切なのは技術を利用していく側の人間がどのように理解して使っていくのか、自分のもっている知識や情報をどのように社会のなかに公開したりしなかったり守っていくという問題で、いわゆる情報社会のコンピュータリテラシーの問題になるのではないか。
インターネットは人間の倫理とか思想といったものにまで広い範囲で影響を与える可能性が見え始めている。世界中の個人たちが主体となって進められているというのが、インターネットの特徴である。このような流れを良い意味で生かし、新しい地球の社会をつくっていく必要がある。
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