「インターネット」を読んで
岩波新書 村井純著
インターネットとは、世界中のすべてのコンピュータ・ネットワークである。コンピュータを使う人はすべてインターネットを介して情報や知識などを共有したり、交換したりできてしまうことと、コンピュータは、ほかのつながっているコンピュータと自由にコミニュケーションをしてしまう。
インターネットは大規模なネットワークである。世界中のコンピュータをつなぐには、そこまでの規模に耐えられる技術や仕組みがどうしても必要なのですが、そのためにはインターネットが「分散型」の仕組みであることが大切である。それは、どこかに「中心」があってその中心が全体をすみずみまで制御するという「集中型」の仕組みでは耐えられないからである。
インターネットの世界は、はじめコンピュータ・サイエンティストの要求にしたがってできてきた。当時のコンピュータはいわゆる「バッチ式」のコンピュータで主に複雑な数値計算に使わされていた。その次にTSS(タイム・シェアリング・システム)へと進歩して行き問題やら計算式やら、計算に必要なデータやらをいったんコンピュータのなかに蓄えてから処理するものである。「情報をコンピュータに蓄えるようになった」ことが、重大な進歩である。プログラムというものはソフトウェアです。いまではソフトウェアという言葉は、より広くの人間の知的のな生産物全般を差すようになっているがこの段階でコンピュータ・サイエンティストがソフトウェアの作業をし、そのソフトウェアがコンピュータのなかに蓄えられるということになる。ソフトウェアは共有したり交換したりしながらつくっていく環境を強く求め、コンピュータ・ネットワークが生まれる動機だった。 現代のようにコンピュータの守備範囲がたいへんに広がって、人間の多くの知的分野での活動が、デジタル技術の支援のもとで行われるようになってくると、蓄積されたデジタル情報を利用していくことも、人間のあらゆる活動分野にわたるようになった。人間の活動は本質的に多くの知識や情報へのアクセスと、人間同士のコミニュケーションによって成り立っているので、情報や知識を幅広く交換したり共有したりすることを支えるインターネットはまさに知的な人間活動全般にわたる大変重要なインフラストラクチャーになっている。
おわり