1の謎...少年と中年のコールが同時に存在することは可能か?

いわゆるタイム・パラドックスである。
1996年12月、少年ジェームズ・コールは空港で、ある男が射殺されるのを見る。撃たれたのは2035年からタイムトラベルした中年の自分だった。つまり同じ空間に、少年と中年のコールが存在していたわけだ。

2の謎...コールの夢に登場する少年は本当に子供時代のコール?

コールがいつも見る夢は第3者からで、彼自身、登場する少年が自分の子供時代とは意識していない。しかし、96年へのタイムトラベルを繰り返していくうち、夢が鮮明になり、子供時代の記憶が夢に現れていることを知る。そして少年が自分であることに気づく。
96年のリアルタイムとして描かれる映像では空港に着いた少年が、母親からジェームズと呼びかけられている。

3の謎...ライリー博士は初対面のコールになぜ以前にあった気がしたのか?

ライリーは、”狂気とそれに基づく予言”を研究していた。96年、彼女はそのテーマで本を書き、講演をする。そこで映されるスライドに、第1次世界大戦のフランス戦線に突如現れ、英語で未来の災厄を語った男が登場する。この男はコールと同房のホセ。オリジナルプリントには、唯一コールの姿が映っていた。
ライリーはコールに合う前から本のための資料を集めていたはずなので、その中に無意識にコールの姿を記憶にとどめたと考えられる。

4の謎...コールの夢に一瞬登場するジェフリーの謎は?

コールの夢は彼が少年時代に見た事件の恣意的な再現で、記憶の完全な再現ではない。
彼は最初のトラベルで限りなく特異な人物ジェフリー・ゴインズ会う。ジェフリーは、パラノイアックで刺激に過剰に反応し、なぜかコールの脱走に協力する。このようにコールに強烈な印象を残したことが、未来に戻ったコールの夢に彼を出させたのであろう。

5の謎...コールに「ボブ」と呼びかける謎の声は何なのか?

最初に聞いたのは、未来に戻り休養を取っていたとき。「ボブ」という声を聞く。ここで言うボブは、俗語で”にいさん”といった意味らしい。
次に現れたのは、96年でホームレスの男。コールの隣にはライリーがおり、「お前は監視されている。歯に追尾装置が仕込まれている。」というものだった。
次は未来。自分の精神に疑いを持つコールに脱走を呼びかける。
最後は96年の空港のトイレ。今度は逃げても元に戻るだけという。
話の内容に統一感はないが、コールに行動を促したのは確かなこと。未来の管理システムなのかも知れない。

6の謎...このタイムマシンはどのようなメカニズムで時間旅行するのか?

病院のCTスキャン・マシンに似たチューブに被験者を乗せ、それが巨大な金属の穴に入ったとき、時間旅行する。
しかし、1996年を目標にしながら90年や10年代フランスに被験者をとばすなど、機械の精度はかなりあやしい。

7の謎...電話による未来への通信の仕組みはどうなっていたのか?

過去から未来への通信は電話記録(ボイスメール)として残されるのだが、90年にはまだこの通信方法が確立されていなかった。
96年にライリーが冗談で残したメッセージをコールは未来で聞いている。ということは96年にはこの通信システムが確立していたことが分かる。

8の謎...ボランティアの歯に埋め込まれた追尾装置の意味は?

映画の冒頭で語られるように、相当数のボランティアが過去に飛ばされている。もちろん囚人ばかりでなく、科学者も時間旅行していると考えられる。彼らは過去の世界に監視網を作り、危険な任務につく囚人のボランティアの行動をチェックする。
ボランティアには特赦が約束されているが、脱走の可能性もある。そこで彼らには歯に追尾装置が埋め込まれた。

9の謎...”12モンキーズ”はコールのアイデアだったのか?

コールは2度目の時間旅行で、ジェフリーに会う。すでにゴインズが他の11人の若者達と[12モンキーズ軍団]を結成しているのをつかんでいた。再開の会話で90年に自分がゴインズに語ったことが、若者に[12モンキーズ]を結成させ、災厄を招くことになる。コールは自分が災厄のアイデアを提供した事実に打ちのめされショックで自分の行動すべてが妄想ではないかと疑いはじめる。[12モンキーズ]のネーミングはコールによってもたられたものかもしれない。
しかし、90年のゴインズは猿による生体実験に反対し、映画「モンキービジネス」に興奮し、モンキーという言葉が好きだったことが示される。モンキーの動詞形には「いたずらをする」といった意味があり、ゴインズのたくらみにぴったりの言葉でもある。

10の謎...ライリーがコールを信じるようになった課程は?

ライリーはコールに初めて会ったときから奇妙な親近感を抱き、彼をあくまで精神障害に悩む人物と判断していた。
しかし、彼に誘拐されて行動をともにすることで、自分の判断が揺らぐ。[12モンキーズ]が実際に存在したことと、負傷したコールの足から銃弾を摘出、それが第1次大戦前後に使われていたことと、コールが当時の写真に写っていたことからだ。このほか、井戸に落ちた少年の事件が、狂言だったことをコールが知っていたという事実。それらから彼女はコールを信じるに至る。

11の謎...真犯人ピーターズ博士の動機は何だったのか?

新種の殺人ウィルスを一週間かけて世界中にばらまくのが、ピーターズ博士である。彼はジェフリーの父親でノーベル賞を受賞した細菌学者ゴインズ博士の助手。
ピーターズはライリーの著書にサインを求め、彼女の講演が未来への警鐘であり、人類が今のままであれば絶滅してもおかしくないと語る。
主張はゴインズとほとんど変わらないが、子供のいたずらレベルのゴインズと違って、彼にはゴインズ博士が分離した新種のウィルスがあった。ひょっとしたら、博士の名声への反発もあったかも知れない。

12の謎...飛行機ピーターズの隣に座った老女は未来からの使者?

ピーターズはコールの追撃を逃れて機上の人となる。その隣に座るのが、2035年の世界で天体物理学者である老女。
元々コールの目的は、人類の99%を死滅させたウィルスの純粋なサンプルを持ち帰ることだった。(ウィルスの抗体を作るにはその大本までさかのぼる必要がある)彼は、逃亡を企て、未来人の陰謀で自滅させられる。
しかし、コールの働きでピーターズが特定された。すでに空港でウィルスが空気に触れ、災厄は起こりはじめている。歴史は変えられない。が、ピーターズに女性科学者が接触。彼女は彼から純粋なウィルスを入手するだろう。地下生活を送る未来人が救われることを示唆して映画は終わる。