出産

早産と遅産

犬は妊娠してから、60〜65日目に出産します。
60日以前に分娩するのを早産といいます。このうち、58日以後に生まれた子犬は育ちますが、57日以前に生まれた子犬を助けるのは困難です。早産は胎児の数が多い場合や、おなかになんらかの衝撃を受けた場合、あるいは胎児の一部が体内で死んでしまったときなどに起こりやすいといわれています。
一方、66日以後に分娩するのを遅産といいます。この場合、胎児の数が少なく、育ちすぎて難産になることがあるので、獣医師に相談した方がよいでしょう。

出産の時に必要なもの

ハサミ、糸、ピンセット、体温計、産湯、ガーゼ、脱脂綿、
ティッシュペーパー、消毒薬、懐中電灯、ヘルスメーター、タオル、

出産の準備

まず、産室を用意します。ふだん使っている犬舎で十分ですが、静かでなるべく暗い場所に移動します。お産の直前ではなく、30日ぐらい前に移動して、慣れさせておくとよいでしょう。押入の隅に産室を作るのも一つの方法です。他にも犬を飼っている場合は、産室から離しておきます。
産室におく産箱は、段ボールでも木箱でもかまいません。母親が楽に出入りできて、横になっても少し余裕があるくらいの広さがあれば結構です。 箱にまずビニールを敷き、そのうえにタオルをしきます。さらに、新聞紙を切ったものを入れてやるとよいでしょう。また、母犬が落ちつかないようならば、普段使っているタオルなど慣れたものを入れてやります。
産室は寒くなりすぎないよう注意すること。11月から3月までの出産には、犬用のヒーターを入れるなどして、保温には十分気をつけてください。産箱以外にも、必要な用具類は早めに用意しておきましょう。長毛種の犬は乳首のまわりの毛を刈り、消毒しておきます。
出産が近づくと、母犬は産箱に出たり入ったりを繰り返し、落ちつかない様子を見せます。そんなときは、声をかけて安心させます。この状態が、半日から1日続きます。 陣痛が始まると、だんだん呼吸が早くなり、力むような動作をします。普段は自力で生むので、静かに見守ります。陣痛の波に合わせて、飼い主がなでたりさすったりして犬を力づけるのもよいでしょう。
陣痛が断続的に続いた後、分娩が始まります。急に後ろの足をひぱるような動作を見せると、子犬が生まれてきます。ビニールのような胎膜にくるまれています。 母犬は子犬をなめながら胎膜を破り、へその緒をかみきり食べてしまいます。そのあと、顔をなめまわして鼻に詰まったものをとり、呼吸できるようにしてやってから、自分の乳房へ吸い付かせます。 以上のような動作を繰り返し、小型犬は約3匹、大型犬は5から10匹の子犬を出産します。
第一子の出産を注意深く見守って、母犬が自力で出産できるようでしたら、よけいな手助けはせずに、優しい声で激励しましょう。もし、うまく出産できないようならば、介助が必要です。母犬の呼吸にあわせ、子犬路引っ張り出します。このとき、手には清潔なガーゼを巻いて行ってください。
第一子が生まれたら、母犬の乳首を吸わせておきますが、次の陣痛が始まったら、第一子を取り上げ、次の分娩のじゃまにならないようにします。そして、ぬるま湯で身体を洗い、きれいなタオルで拭って、子犬に異常がないか確かめます。

出産後の心配り

出産後、母犬は子犬たちに授乳しますので、3〜4時間はそっとしておいたほうがいいでしょう。子犬たちが眠ったのを見計らって、母犬を産箱から出してやり、温めたミルクや卵などを与えます。
出産後、1〜2日の間に出る母乳を、初乳といいます。いろいろな病気に対する免疫抗体が含まれていますので、必ず飲ませてあげてください。母乳を飲ませている間は、母犬が必要としている栄養量も多くなります。ミルクや卵黄、肉類、小魚など消化のいいものを中心にあたえます。産後2週間ぐらいたったら、普通の食事に戻します。